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糖尿病代謝?内分泌内科

対象疾患と診療内容

糖尿病

 糖尿病にはおもに1型糖尿病と2型糖尿病があります。
1型糖尿病はインスリンを産生する膵ベータ細胞が免疫的に破壊されて発症する自己免疫疾患で、インスリンがほとんど産生されないので治療にインスリンが不可欠となります。2型糖尿病はインスリン分泌低下を主体とするものや、インスリン抵抗性が主体でそれにインスリンの相対的不足を伴うものがあり、治療としては食事療法と運動療法、経口薬やインスリン療法などがあります。
 糖尿病には遺伝子の異常によるものもあり、原因遺伝子としては、インスリン遺伝子、ミトコンドリア遺伝子、インスリン受容体遺伝子、MODY遺伝子、Wolfram遺伝子など多くのものがあります。また妊娠糖尿病(妊娠中に発見された糖尿病)や糖尿病合併妊娠(糖尿病患者さんで妊娠した人)の診療も行っています。
 以上のように、一口に糖尿病と言ってもさまざまな種類があり、それらの治療は、その糖尿病の種類、患者さんの年齢、生活環境によって異なってきます。また、糖尿病昏睡や感染症などの急性合併症や、神経障害、網膜症、腎症などの細小血管症、また動脈硬化などの大血管症などの合併症に対して、私達は1人1人の患者さんの病態から最良の治療を常に考え、選択し、実践しています。

高脂血症

 生活習慣病の主体が糖尿病ならば、その一翼をになうのが高脂血症で、血中の脂質のうち、コレステロール、中性脂肪のいずれかないし両方が増加した状態をさします。特に高コレステロール血症が冠動脈疾患の最も重要な危険因子であることはこれまでの大規模な調査で明らかとなっています。
 高脂血症は全く自覚症状がありません。総理府の調査では、高脂血症についてのイメージは、他の生活習慣病に比べ、怖い病気とは感じないという結果がでています。しかし高脂血症は自覚症状がでた時には、すでに全身のいたるところで動脈硬化が進行し、脳梗塞や狭心症、心筋梗塞などが出現するため、サイレントキラーとも呼ばれています。

肥満症

 脂肪組織が過剰に蓄積された疾患です。BMI(Body Mass Index=体重/身長の自乗)が25を超えると合併症の発症頻度が高くなり、これを肥満と定義します。さらに、医学的にみて減量が必要な肥満を「肥満症」と診断しています。つまり、肥満症は「肥満にもとづく健康障害を合併するか、臨床的にその合併症が予測される場合で、医学的に減量を必要とする病態」と定義づけられています。
 日本人は徐々に肥満してきています。また、肥満は2型糖尿病や高脂血症の引き金にもなります。私達は、ただ太っている状態を治療するのではなく、その奥に潜む生活習慣病を治療する診療を行っています。

マルチプルリスクファクター症候群とメタボリックシンドローム

 冠動脈疾患に関連する上記のさまざまな危険因子が相互に関連し集積すると、冠動脈疾患のリスクはさらに上昇します。これには、上記の糖尿病、肥満、高脂血症や高血圧などが深く関連します。
 これを「マルチプルリスクファクター症候群」と総称することが近年WHOから提言されましたが、類似の疾患群は、以前より「syndrome X」、「死の四重奏」、「内臓脂肪症候群」、「インスリン抵抗性症候群」などと呼ばれていました。 90年代末には、2型糖尿病、耐糖能異常、インスリン抵抗性や、高血圧、肥満、脂質代謝異常などが重複している場合をメタボリックシンドロームと総称することがWHOから提言されました。つまり、ただ単に糖尿病、高脂血症、肥満などの診療ではなく、私達はそれらを統合した心血管系のリスクファクター全体も考慮に入れた診療を行っています。

診療の特色

 当科は、糖尿病、高脂血症、肥満、動脈硬化症など生活習慣病の診療の「拠点」として、東北地方の多くの病院からさまざまな患者さんが紹介されてきます。血糖コントロールが不良で治療に困難をきわめる症例、なかなか体重を減量できない高度肥満症例、原因不明の低血糖症例、合併症をまとめて検査したい症例など、さまざまな依頼を受けつけています。

 外来では、血糖コントロールに加えて、糖尿病合併症や肥満、高脂血症、動脈硬化症の診断と治療を行っています。この中には、神経伝導速度測定、心電図RR間隔測定、超音波検査による頸動脈壁肥厚度測定、超音波検査による血管内皮機能検査、上肢?下肢血圧同時測定による血管硬化度(脈波検査)、精密体脂肪計(InBody)、腹部CTによる内臓脂肪定量などが含まれます。また、糖尿病療養指導士によるインスリン自己注射や在宅自己血糖測定の指導、管理栄養士による食事療法の指導により、個々の患者さんにフィットした治療を選択しています。見逃されやすい合併症として糖尿病足病変は外来フットケアにて救肢できたこともありますし、平成24年から始まった糖尿病透析予防指導管理プログラムでは、医師?看護師?管理栄養士が集学的に介入し、腎機能の悪化を防ぐことに効果を上げています。当科ではインスリン注射の方法も、従来のペン型インスリンによる自己注射だけでなく、インスリンポンプ(CSII)を利用している患者さんも多く通院しています。外来における持続血糖モニター(CGM)による血糖の最適化にも力を入れており、平成26年に保険収載されたパーソナルCGM機能搭載インスリンポンプの導入も行っています。さらに、糖尿病に関連する遺伝子の解析も患者さんの要望に応じて実施いたします。

 入院に関しても目的に応じて次のようなさまざまなプログラムで対応しています。

  • 教育入院:食事?運動療法を実際に体験し、薬物療法も必要に応じて始めるための入院です。うまく付き合えば糖尿病は怖い病気ではありません。糖尿病との付き合い方を身に着けるための入院ともいえます。2週間程度の入院です。
  • 検査入院:糖尿病や合併症の精密検査を集中して行う1泊から1週間の入院です。
  • 治療入院:血糖コントロール不良の場合に治療法を見直したり、合併症を治療するための入院です。
  • 緊急入院:糖尿病患者さんは、昏睡、重症感染症、心筋梗塞、脳卒中などのため急な入院治療が必要になることがあります。迅速に随時対処しております。

 これらすべての入院患者さんの治療に関しては、毎週月曜日に全体の症例検討会を行い、各々の患者さんの病態をどのように考え、どのように治療すべきかを教授をはじめスタッフ全員で討議し、方針を決めています。また、担当医グループによる症例検討は毎日行っています。

さらに、大学病院には多くの診療科が存在しますが、ほとんど全ての診療科から入院患者さんの糖尿病診療に関してコンサルテーションがあります。当科では、それらのコンサルトに迅速に対応し、血糖コントロールの改善のために最適の治療法をお勧めしています。特殊なものとしましては、低血糖昏睡を繰り返す難治性の糖尿病に対する膵臓移植や膵島移植の術前術後の血糖管理を、外科系の先生たちと一緒に担当しています。内科治療では解決ができない高度肥満症に対する肥満外科治療にも、術前術後の内科的管理をチーム医療の一員として担当しています。

院外から紹介を受けました患者さんは、上記の様々な治療で病状が改善した後、原則的に紹介元の医療機関に戻って治療を続けて頂きます。当科での診療が必要になりましたら、またいつでも診療させていただきます。以上のように紹介元の医院や病院と密接な地域連携をもって診療しております。

主な医療機器、設備

  • 持続血糖モニター(CGM):終日の血糖を連続的にモニターできます。1回の検査で最大14日間装着可能です。
  • インスリンポンプ(CSII):適切にプレプログラミングされたインスリン必要量を持続的に皮下注入できるインスリン注入デバイスです。
  • CGM付CSII(SAP):リアルタイムに血糖を知る機能がついたインスリンポンプです。
  • 神経伝導速度測定装置、皮膚知覚閾値検査:糖尿病神経障害の診断目的で使用します。
  • 心電図R-R間隔測定装置:心臓の自律神経機能を測定します。
  • 頸動脈超音波:頸動脈の動脈硬化を形態学的に測定します。
  • 血管内皮機能検査(FMD):超音波装置で上腕動脈の血管機能を測定します。
  • 冠動脈CT、脳血管MRIなど:血管合併症の評価のために測定します。
  • フットケア装置一式

年間症例数

(2021年度)
糖尿病外来 1,180人(診療中)
脂質異常症外来 100人(診療中)
肥満外来 38人(診療中)
入院患者 340人(診療中)
外来患者 13,018人(診療中)

新患、新入院患者数(2022年度)

新患数 180人
新入院患者数 303人

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